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【市民サミット2008】札幌宣言を採択しました

2008年G8サミットNGOフォーラム 貧困開発ユニットは、市民サミット2008にて7日、国際ラウンドテーブル「世界市民の声~貧困をなくすために」を開催し、札幌宣言を採択しました。 当日は、国内外から26名のディスカスタントを迎え、議論を展開しました。当日の様子は、後日報告いたします。

PDFはこちら をご覧ください。

札幌宣言
~世界の貧困をなくすための市民の声~
Sapporo Declaration: Global Voices to End Poverty

2008年7月7日

私たちの生きる世界は不公正な世界である。わずか2%の最も裕福な人びとが世界の富の半分を享受する一方で、貧しい側の半分の人びとが世界の1%の富を分け合う世界。10億以上の人びとが今なお、1日1ドル未満で生きざるを得ない世界。食べ物はあるのに、人々が飢えている世界。薬はあるのに、予防・治療が可能な原因で人々の命が奪われる世界。資金はあるのに、人々が、とりわけ周縁化された人々が、貧困によって死にゆく世界。これが私たちの生きる世界である。

私たちは、この不公正を受け入れることはできない。G8の指導者たちは様々な誓約を私たちの前に積み上げてきた。それらの約束によって、世界は60年前に制定された「世界人権宣言」の精神を体現するものになる、と彼らはいった。しかし、積み重ねられた誓約は、単なる言葉の羅列に、そしてその言葉の羅列の再確認へと堕し、必要とされる行動へと翻案されることはなかった。世界はまず欺かれ、そして欺かれ続けた。そして私たちはこの世界、不公正な世界に生き続けている。その世界を作り、維持し、導いてきたのはG8だ。そこでは、ただ財産の有無だけが、人間の生き死にを決定する。

38年前、1970年に開かれた国連総会。そこで、富裕国は国民総所得(GNI)の0.7%を政府開発援助(ODA)に充てることを約束した。この誓約は、2003年にメキシコ・モンテレーで開催された国連開発資金国際会議で改めて確認された。富裕国のGNIのわずか0.7%を充てれば、ミレニアム開発目標は2015年の達成期限までにたやすく実現するはずだった。にもかかわらず、今に至るまで、G8諸国は一つとして、この目標に近づいてもいない。2005年には、英国・グレンイーグルズで行われたG8サミットで、2010年を期限として開発援助を500億ドル増額すること、そしてその半分をアフリカ支援に充てることが約束された。3年を経た現在、まったく志の低い、この約束ですら、その実現が危ぶまれている。

世界の貧困と格差の歴史を終わらせ、これらを過去のものにすることを求める私たち市民社会は、今日ここに結集し、G8の首脳に対して、果たされるべき約束の誠実な履行とさらなる指導力の発揮を強く求める。そしてこの世界の不正義と不公正の歴史を断ち切るために、十分な説明責任をもって以下の行動がなされる必要がある。

■G8は既存の約束を履行し、MDGs達成のための責任を果たすべき

  G8は、MDGsをはじめとする過去になされたすべての約束の達成に向けて、達成期限を定めた拠出目標を設定し、包括的な行動計画を策定すべきである。そしてこれらの計画の実施に関する検証・評価を行い、説明責任を果たすことが必要である。G8は、少なくとも以下に述べるこれまでの約束を履行する必要がある。

• 「万人のための教育」(EFA)達成のために必要な年間110億ドルの資金ギャップを埋め、7200万人の未就学児童が小学校に就学できるよう支援すること。2015年までに初等教育完全普及を達成するために不足する1800万人もの新規の教員が養成され、雇用され、給与が適切に支払われるために、G8は教育援助を予測可能なものにし、かつ経常経費も対象とすることを約束すること。
• 「2010年までのHIV/エイズ治療・予防・ケアへの普遍的アクセス」目標を実現すること。そしてHIV/結核の二重感染、多剤耐性結核(MDR-TB)および超多剤耐性結核(XDR-TB)等の緊急の課題に対処するとともに、ストップ結核世界計画を支援すること。また、マラリアに関する「アブジャ目標」を達成すること。さらに2007年ハイリゲンダムG8サミットで約束された、三大感染症および保健システム強化に対する当面600億ドルの拠出誓約について、「誰が、いつまでに、いくら拠出するか」を達成期限つきで示した明確な計画を策定すること。
• MDG4・5達成に必要な年間102億ドル増額を実現し、リプロダクティブ・ヘルス・サービスの普遍的アクセスを実現すること。また、妊産婦死亡率を質の高い保健医療サービスへのアクセスを測る指標とすること。
• 水・衛生に関するMDG達成に必要な年間100億ドルの資金(UNDP推計)を拠出し、目標を実現するための具体的な計画を形成すること。

開発のためのあらゆる努力は、MDGsをはじめとする社会開発目標の達成を最優先課題として取り組まれるべきである。開発援助は、最も脆弱弱性なコミュニティに裨益するものでなければならない。さらに、これらの目標を達成するにあたっては、ジェンダー格差の解決が不可欠である。女性および少女が、教育や保健サービスを受けることができるよう、ジェンダーの視点に配慮することを怠ってはならない。また、MDGsの達成に向けて開発援助における若者への配慮もなされるべきである。

■目標達成のために、資金メカニズムの導入と債務免除を

● G8は、ODAにGNIの0.7%を充てる目標を実現するため、達成期限を設けた資金拠出目標および具体的な行動計画を策定すること。
● ODAを補完し、世界経済をより公正なものとすることを目的とする「国際連帯税」などの革新的な資金メカニズムの導入を、世界規模で早期に導入すること。
● MDGs達成を困難にしている途上国債務をすべて免除すること。ODA増額は、債務免除とは別になされなければならず、債務免除額がODA総額に含まれてはならない。
● より効果的で、政策としての首尾一貫性が確保された援助を実施すべく、今後のアクラ・ハイレベル・フォーラムおよびドーハ開発資金国際会議において指導力を発揮すること。
● 国際社会の責任において、自然災害や紛争・戦争にさらされた人々への支援を、継続性をもって、迅速にかつ連携して行うこと。

■新たなる脅威に、さらなる指導力を

世界はいま、食料価格の高騰や気候変動といった新たな脅威に見舞われている。G8は、緊急性を持って以下の課題に取り組む必要がある。

世界には8億5000万人もの飢えに苦しむ人びとがいるが、昨今の食料価格の高騰は、「静かなる津波」として新たに1億もの人びとを飢餓状態に追いやろうとしており、2015年までのMDGs達成へのあらゆる努力に負の影響を与えている。食料安全保障の欠如が主な原因で、貧困人口が17億人に増加するのではないかという報告もある。世界には十分な食料があるにもかかわらず、先進国を利する金融投機やバイオ燃料政策が食料価格を引き上げ、公平な食料の分配を大きく妨げている。食料へのアクセスを確保するために、G8は直ちに途上国に対して、途上国現地の農家からの購入を優先・支援する形で緊急食料援助を実施し、持続可能な小規模農業生産に対する投資を拡大するべきである。さらにG8は、自らのバイオ燃料政策・農業補助政策を取り止め、先物投機を規制するほか、途上国に悪影響を及ぼす貿易政策を撤廃しなければならない。そして、途上国における農業生産力の向上を持続可能な形で支援し、MDGsを履行するべきである。

気候変動は、それに対して何の責任も負わない貧しい人びとの生存を脅かし、開発の成果を台無しにする。G8は国連気候変動枠組条約プロセスを尊重し、自らの温室効果ガス排出量削減に関して2020年までに1990年比で少なくとも25~40%を削減するという拘束力のある目標を打ち出し、途上国における気候変動の影響を最小限に食い止めるための適応支援と、低炭素型の経済発展を実現するためのクリーン・テクノロジーへのアクセス確保を迅速に行うべきであり、またその責任を有する。このための資金は、従来の開発資金が犠牲とならないように拠出される必要がある。

また、人間の健康をむしばむ新たな脅威が、世界の貧困化の拡大によって生じているにも関わらず、これらが無視されていることに警告を発さなければならない。この健康上の脅威とは、例えば、鬱病など精神疾患および自殺の増加、大気汚染による喘息など呼吸器系疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性病の増加である。さらにG8は、保健関連目標の達成を極めて困難にしている医療従事者の不足について、特別な配慮を行う必要がある。

■市民社会の声を政策に反映すべき

貧困との闘いに勝利するには、市民社会の力強い連帯、参加、運動が不可欠である。市民社会は、脆弱性を有するコミュニティや周縁化された人々の声を政策決定者に届けるという極めて重要な役割を担うからである。そのため、政策決定が人びとのためになされるよう、意思決定・政策決定への市民社会の十分な参加と関与が確保されるべきである。G8は、「Civil G8対話」を含む市民社会との対話を拡大し、市民社会の提言をG8の公式議題に取り入れるべきである。来年のイタリアやその後のG8サミットにおいても、市民社会との対話が定期的になされ、市民社会の声が政策決定者に届けられることが必要である。

市民サミット2008「Global Voices to End Poverty」参加者一同